タタタタ……

駆け足音が近付いてくる。

「千郷~、私じゃないよ?」

今にも泣きそうな顔をしてしがみついてきた。

「あ、陽菜おはよ」

「そんな挨拶はいいよ」

彼女も今朝のニュースを耳にしたのだろう?

いつもの天然オーラは消え、蒼白した顔色にパニック状態。

「解ってるよ。」

彼女の背中をポンポンとなだめた。

陽菜の行動は正当防衛とされるよ。

それに、いくら彼女が蹴りを入れたからって女の子の力一撃で変死体が起こるはずがないもの。

「警察来ない?」

「大丈夫だって。」

もしかしたら、重要参考人とかに呼ばれちゃうかな?

だって、私たち少しの時間彼らと一緒にいたんだものね。

この事も今は言わない方がいいよね?

私には、その原因が自分にあるような気がしてならない。