プールって本当に時間が経つの早いよね?
学校の授業は午前中だけでも長い長い一日に感じるのにさ。
気がつけば木の葉が揺れている。
太陽も斜めに傾きかけていて、頭上の上を烏の群れが羽ばたいている。
結構長い事この場にいたんだね?
閉館時間が近いのか?
人も疎らになっている。
「私たち、そろそろ帰らないと」
「えっ、私たちって?」
「さっきの彼女よ?」
「彼女なら心配いらないよ。
タイラが送って行くって言っていたから」
ウソ。
あのおバカ、一人でノコノコ行っちゃったの?
「キミも送ってあげるから安心してよ?
暗くなったところ一人じゃ危険でしょ?」
否、貴方といるほうが危険を感じるんですけど?
気がつけば監視員の目の届かない場所にいるし。
片腕だけで腰に手を回されているだけだもの。振り切れるよね?
「か、帰りますね」
なるべくあたり障りのないように笑顔を作るもぎこちない。
私の言葉が合図になったのか、回されていた左腕の力がいっそう強くなった。
「帰さないよ」
さっきまでのチャラチャラした口調ではなく、低くてドスの利いた声。
どうしよう
そのまま、抱き寄せられ目の前には大きな胸板が広がる。
開いていた右手は私の髪を優しく撫でている。
不思議と、彼の手を許してしまっている自分がいる。
髪を撫でていた手でゆっくりと頬の周りを触られる。首筋を撫で、そのまま下に下がり、水着の中に忍び込んできた。
そのまま、一つのふくらみをオモイッキリ鷲掴みに──
「い、嫌」
なんか、変になりそう。
「大丈夫直ぐに楽しくなるから」
左手で肩の結び紐が外され、右上半身が露になった。
怖い。
助けて。
ギュッっと目を瞑った。
それからの事は覚えていない。
ただ、それ以上のことをされた記憶もない。