そして、彼女はさっきよりも強い眼差しに変わった。


 「ニコラス様、シモン様これからも我がヨルデス国との交流を正式に申し込みます」

 「ソフィア殿?」

 「王が居なくなった今、お婆様の、――アンジェリーナ様の血を引く私がこの国を守らなければなりませぬから。城を滅ばせたのも私。ならば、これから国を作るのも私。一人では何も出来ませぬ、どうかお力添えを」

 「もちろんだ。俺で、俺たちで良ければ、いつだってここに来る」

 「ありがとう」


 こんな小さな身体の何処からこのような強さが生まれるのか、ソナタは不思議なお方だ。

 進むべき道は異なる。だけど、やはり俺は

 「ソフィア殿、好きだ」

 「私もニコラス様をお慕いしております」


 月夜に照らされた白百合だけが、儚げに揺れている。


**.。『白』Whight Lily 愛の行方 。.**

        ―END―


                           - 21 -