あれからお母さんと協力して何とかゥチのスーツケースと取り戻して、ダッシュで家を出た



そして、今ゥチは櫻山学園が融資している旅館へと向かうバスの中にいる



さっきから両隣の口喧嘩に巻き込まれ続けていた


茜「ちょっと!沢田さん怜君に近寄り過ぎじゃない?!」


茜さんに、ぐいっと腕を引っ張られて茜さん寄りに傾き


香織「あー!!!そっちこそ近すぎ………って、何引っ張ってんですかーー!!!!」

負けじと躍起になる香織ちゃんにも腕を引っ張られた


その瞬間鋭い痛みを感じると同時にぶわっと冷汗が出てきた。


空調管理万全のバスの中で汗をかき始めたゥチを見て


茜&香織「「怜君(さん)大丈夫ですか?」」


全く同じ言葉を発していた。

言った後は二人して
真似しないでよ!とか、
そっちが真似したんでしょ!とか、
永遠に続きそうな言い争いをしていたが、しばらくしてゥチの顔色を二人して窺って無言の催促をしてくる。


怜「……腕から手を放して欲しいな。怪我してて結構痛いから。」


そう言った瞬間ゥチの腕から二人の手が離れる

暫く大人しくしていたがまたくだらない言い争いが始まった。