私はすでに破水し、ナースコールをしていたのだ。

しかし、私の様子を見に来たのは例の新人看護師一人だけ。

その後誰も来ることなくほおっておかれているのだ。


出産したことのある方は知っていると思うが、普通妊婦はお腹に分娩監視装置というへんてこりんな器具をつけられる。

ベルトのようなものをつけ、ガタガタと一定の音を出す装置だ。


これは子宮収縮の強さや間隔をはかると同時に、赤ちゃんが出産に耐えられるかどうかをチェックするためのもので、

胎児の心拍数・胎動などもモニターするための重要な機械だ。


けれど。


私のお腹にはそれもついていない。

というか、入院した直後にはつけられていたのだが、

看護師さんがなにやらこそこそと話し合って、途中ではずされてしまったのだ。


入院してからすでに7時間が経過していた。

最初に告げられた子宮口の大きさは3センチ。

確か勉強会では、子宮口は一時間に1センチずつ開いていくとならった。

10センチで産まれると言われていたので、私の計算ではそろそろ産まれる頃合だったのだ。


もちろん、初産の私の勝手な推測によるものだが、ひっきりなしに押し寄せる陣痛の痛みは尋常ではなく、

体が二つに裂けてしまうのではないかと恐怖していた。