午後9時。 長蛇の列。 正月の福袋か!? と見まがうこの光景。 それは、すでに見慣れたもので。 「すみません~、通ります~」 私は、行列の間を縫って、自分の部屋へと体を滑り込ませた。 私の部屋は、午後9時になると通行不能になる。 なぜって、 そこが公衆電話のまん前だから。 そして、それだけではない。 「あなたたち! 少し声が大きすぎますよ。 もう少し節度を持って。良妻賢母寮に相応しく!」 毎日現れるしゃがれ声の持ち主は。