「じゃあ、俺はリレーの招集場所に行くから一番前で見てろよ。」


「あ……」


先輩が入場門に行こうとしてるのに思わず声が出てしまう


「何だよ……」


「あの…えっと…」


止めてしまったものの何を言っていいか分からず口ごもる



…ハァ…


青矢先輩は小さく溜め息をついて

私に近寄りそっと髪に触れ


「お前は何も考えるな…ただ勝負を見守ってればいい。」



それだけ言葉にして私から離れた


そんな姿を見て

青矢先輩はきっと昴君の怪我を知ってる


そんな気がした


昴君は怪我を隠して出ようとしてる


そして青矢先輩はそれを知っても勝負を続ける


二人が決意した事ならやっぱり私は止めることは出来ないよ



私が出来ること


それはリレーの行方を見守るだけなんだ




歩いてクラス席に行くと杏ちゃんが駆け寄ってきた


「萌音!!戻って来れたんだ!」


「うん。先輩が一年生と変えてくれたの。」


そぉ言って1番前の席に座ってグランドを見た



『次は総合リレーです』



「ほら、始まるよ…」


「うん…」


いよいよ運命のリレーが始まる