臨はずっと寝ていた。
足に障害があって、心臓病も併発していて、上半身だけしか起こせない。
そんな臨を、私はずっと見ていた。
私も中学生になるまでは小児病棟にいた。
臨とは同い年だし、親も仲良かったから、一緒にいることが多くて。
病気が治ってからも、臨のそばにずっといた。
好きだったから。
「ねぇ、綾」
「んー?」
「……なんでもない。気にしないで」
「ちょっと、そういうの気になるんだけど!」
「気にすんなって!」
そんな会話が、今も頭に残ってる。
多分、最後だったんだ、その会話が。
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