「白石さん」


「え、何?」


授業中なのに、いや授業中だから?


……まぁとにかく、橘君が紙切れを差し出してきた。


よ・ん・で


口パクで言われて、視線を落とす。


《白石さんって、下の名前は?》


……休み時間に聞いてくれれば……


なんて考えながら、その文の下に、めいと書いて渡す。


橘君は、すぐに差し出してきた。


《じゃぁ、めい……って、呼んでもいい? 俺も涼太でいいから》


……わお。


これ他の女子に知られたら私殺されるな。