『私はね、新田君と同じ 高校や大学に行きたいの だけど父が1番の高校へ行けって 大学は好きな所へ行けばいいからって』 おそらく、オヤジの意地なんだろう 中学生の俺でも分かる。 だけど、俺と石元の学力は そんなに違わないはず。 『ねえ、やっぱり陸上するの?』 「当然! 石元はテニス?」 『うん、そのつもり』 「じゃあクラブで会う事ないね」 『残念だけど、競技会見に行くねっ』 俺達はお互い気持ちを、 正直に伝えた事はない。 いずれは伝えないと、 仲の良い友達で終わってしまう。