「君、声が出ないの?」 白ネコは首を傾げながらそう聞いた。 ぼくはどうしていいのか分からなくて、下を向いた。 「そっか・・・」 白ネコは、ゴミ箱の上から降りてきて、ぼくの目の前にきた。 「こんな所にいてもつまらないし、一緒にこない?」 白ネコは、優しく微笑んでぼくをゴミ箱のかげから連れ出してくれた。 ぼくは、黙って白ネコについて行った。 しばらく暗い路地を歩いて行くと、街灯に照らされた薄明るい所についたんだ。 .