ミサンガ

未成年ではないって言ったはずなのに。

「未成年じゃないんですけど」

これを買わないと帰れない。
あたしは、売ってほしかった。

「身分証明できます?」

できるわけない。
あたしが黙っていると定員は笑った。

「冗談ですよ。未成年に売ったってこと、内緒ですよ」

あたしは、愛想笑いを浮かべた。

変な人。
これが悠斗との出会いだった。

「お釣りとレシートになります」

「どうも」

あたしが顔をあげると定員はニコッと笑った。

「堤ヶ丘高校3年山口悠斗です」

そういってあたしに渡したレシートを取り何かを書きまた渡した。

「じゃあ」

気持ち悪くなってあたしは店をでた。