キッチンに入る。

両親は今日の打ち合わせに
夢中になっていた。

「なに?」

料理長が携帯を貸してくれた。
「小田島さんに・・・・」


「ありがとう!!」


私は倉之助に電話をかけた。


「もしもし・・・」
暗い声の倉之助が出た。


「楓。」



「楓?大丈夫か?」


「うん。会いたいよ。」


「俺も・・・・」


「ずっと見張られてるの。
電話できなくてごめんなさい。
これからどうしたらいいのか…」


「俺も考えるよ。
よく考えなければいけないね。
大きな力が動いているような気がするんだ。」


「井上でしょう?
あの人・・・・怖い。
何考えてるのかわかんない。」


「ここを出て外国に出ようと思う。
楓も連れて行きたい。」



「私も行く・・・
早くここから出たい。」



「わかった。
計画を立てるから・・・・」


「楓~~~」
母の声がした。



「またかけるね。」
慌てて電話を切った。