『じゃあ、先に行きます。 朝ご飯ご馳走様でした。』 チュッ。 『行ってらっしゃい。』 「……さん?」 「矢口さんってば」 「はい!?」 頬をプクッと膨らませた飯星。 「ごめん、ごめん。どうしたの?」 「矢口さん、これから専務と『原鰭(ハラヒレ)商社に行くんじゃないんですか? 時間ヤバイですよ?」 腕時計を見ると、出発する時間の5分前。