あたしは階段をかけあがった。

「着いた…!」

そう言って一歩
踏み出すと
人影が見えた。

見慣れた優しい背中…。

大好きな後ろ姿。

「先生っ!!」

そう言ってあたしは
先生にかけよった。

「美桜…!
やっぱ来たか。」

そう言って先生は優しく
微笑んだ。

「あたりまえだよ。
だってここはあたし達が
出会った大切な廊下だもん。」

そう。
ここはあたし達が初めて
お互いを知った場所なんだ。

「そっか…。」

「うん。
来ないわけない。」

あたしがそう言うと
先生が優しくあたしを
抱きしめた。