「そう、だけど。今どこ?帰ってきなよ」 「……櫂兄はどこにいんの?」 櫂兄の声は、電話の向こうで息が荒かった。 「今?……今、走ってる」 「は?」 今走ってるとか…… もしかして、 もしかして。 「……何してんの」 「涙探してんの!!どこ?!」 ──・・・やめてよ。 いいんだよ探さなくて。 自分はさ、 あんたらが寝た後に帰ってくるから。 何そんだけで 夜家出ただけで 探しにきてんの? 「櫂兄、家、帰った方がいいよ」 「涙も一緒に」