サワサワと草原全体が揺れる。 「……ねえ」 ふと、少年が口を開く。 「なにもないところ、楽しい?」 それは自分のすべてを知っているようで。 「…ねえ、君はさ、なんでここにきたの?」 ──・・・知らない。 きたくてきたわけじゃない。 いつの間にか、ここにいたんだ。 すると一瞬にして、真っ白の世界が真っ黒になって、 ──・・・「涙」 視界いっぱいに、櫂兄の顔が広がった。