顔を見られたくなくて誤魔化そうと、手に持っていた小さなカードを引き出しにしまう。 引き出しにスッとカードを入れた。 愁を思い出すのが辛かった。 「…涙?」 「ごめん、考え事してた」 そう言うと、櫂兄は笑った。 「謝んなくていい」 って。 櫂兄の笑顔、ほっとする。 和む。 「…………」 櫂兄の笑顔を見てつい、 ──・・・ずっと一緒にいれたら。 ………なーんて。 叶うはずない……か。