季節は夏。 正確には初夏。 例年になく,暑い日が続いた。 十座たち二年生バッテリーは,聖名と南の三年生バッテリーの隣で,投球練習をしていた。 「ナイスボール」 捕手が投手にボールを返す。 「ふぅ」 「神城。バテんの早いぞ」 「バテてませんよ」 「聖名」 南がボールを投げ返す。 「じゃあ,あと五級」 「おう」