少し経って、 「ごめん。遅くなって。」 と前方から男の子が走ってきた。 「秀行、遅いぞー。俺ら待ちくたびれたって。」 雅樹君が冗談っぽく言う。 「ごめん。寝坊してしまって。」 秀行君と思われる人が謝ってる。 ―優しそうだしかっこいいなぁ。― それがあたしが秀行に抱いた第一印象だった。