気がつくと・・・・居酒屋のカウンター・・・・

どうも 私は 男と何かあるたびに 『居酒屋』らしい・・・・

あいつを殴ってきた手が今更ながら かっかとしている。

「おじさん!!生1つ!!」

我に返り 周囲を見渡すと 私のように女一人で酒なんて 飲みに来ている奴はいない

【ああ・・・25歳にして こんな 親父みたいな 生活してていいんだろうかねぇ・・・】


財布があるか ポケットの中をまさぐって ハッとした。

【いかん・・・・・頭に血が上り あいつをぶん殴ってきたはいいけど、
 保険証をもってきてしまった・・・・どうしよう・・・
 郵送? 今更 叩きつけてくるわけにも行かないし・・・・】

おじさんが 生のジョッキーをどん!!と置いた。

・・・・と隣から いきなり手が伸びると そのジョッキーが 私の隣で

のどを鳴らした。

「だ・・・・だれん!!」

反射的にがんを飛ばした私の目が 点になった・・・・・


【大出 旬・・・・・おまえね・・・・・・・】

隣に座って 私の頼んだ 生ビールを あいつが飲んでいる。

【今の 状況で・・・・飲んだら おまえ 死ぬよ・・・・】

案の定 奴の顔が 苦痛にゆがんだかと思ったら 口を押さえて

あわてて WCへと駆け込んでいった。

「ちょ・・・・ちょっと!!」

状況が状況なだけに 人目なんてはばかっちゃいられない。

あいつをあわてて追いかけて 私も 男子用のWCに飛び込んだ。

そこには 便器を抱え込むようにして 吐血して血だらけになってる

あいつの姿・・・

「馬鹿だね・・・・なんで そんな真似するの?」

背中をさすろうとした私の手を払いのけて あいつが 唇を拭いながら

不適に笑った。