俺の予定では彼女は照れながら『今日はね…2ケ月の記念日』とか、そこまでいかなくても『恥ずかしいから秘密』とかそういう甘い雰囲気を待ってた。 でも、返ってきた返事は俺の想像をどこまでも裏切った。 『あーえっと、前の彼氏の誕生日』 君は遠慮がちにしかし笑いながら答えた。 この時ほど君の声が胸に突き刺さったのは初めてだった。 出来れば聞きたくなかった。ウソでも『記念日だから』と答えてしまった、と言ったらワガママだろうか。