コンコンッ


ガチャ


「おにぎり作ったから早く……」


言葉が止まった。


私の目に、二人の上半身と青いトランクスが飛び込んできた。


「あ、ありがとう。早く準備するから、マンガでも読んで待ってて」


冷静に翔太が言う。


「あのさ…私、女の子なんだけど…」


俯いたまま、静かに言う。


「あん?そうだよ?」


桃威が当たり前だと言うように答えた。


「年頃の女の子なんだけど…」


「あ、興奮しちゃう?」


桃威がからかった。


「バカ!!」


カチンと来た私は、桃威の急所を思い切り蹴った。


「いっっっっ!!!!!!」


桃威がうずくまる。


「バカだなぁ、桃威。俺は先に行くぞ」


翔太はカバンを持つと、部屋を出ていった。


私は後を追い、翔太と一緒に学校に向かった。