ジジジジジ―――


目覚ましの音で、私は跳び起きた。


また、あの夢だ……


体が汗でベタついて、気持ちが悪い。


ベッドから体を起こし、小さく伸びをする。


「…よし!!」


いつものように気合いを入れ、私は制服に着替えた。




「おはよう、お母さん」


台所に行くと、お母さんが朝食の準備をしていた。


「おはよう、理香。今日から朝練でしょ?ちゃんとお弁当作ったから」


テーブルの上には、ちょこんと小さな弁当箱が置かれていた。


「ありがとう。もう時間ないから行くね!行ってきます!!」


勢いよく玄関を飛び出した私は、そのまま隣の家のインターホンを押した。


シーン…


誰もインターホンに出ない。


私はポケットから合い鍵を取り出して玄関を開けると、そのまま2階の一室に向かう。