「じゃあ、俺の事故は、桃威のせい?」


えっ……?


どういう事?


「そうだ。『その事』で俺が怒ってお前の肩を押したら、お前がバランス崩して車道に出たんだ。その時、車が……」


私は桃威の言葉に耳を疑った。


あ…、でも……


昨日、桃威は事故の事を「俺のせいだ」って言ってた。


だから……?


私は頭が混乱して、よく分からなくなっていた。


中に入る勇気も出ずに…


「でもさ…」


二人の会話は続く。


「俺、理香ちゃんの事覚えてないよ?」


はっ?


何で、今そこに私の名前が出るの?


それに、「理香ちゃん」って…


何だか、壁を感じちゃうよ…