確か、すぐにお母さんを起こして、車で20分かけて病院に向かったんだっけ…


で、そこで桃威を見つけて………







集中治療室の扉の前で手を合わせていた。


「桃威…」


私はゆっくり近寄った。


「あ、あぁ、理香…」


桃威が疲れた顔で私を見る。


「沙紀から聞いた。翔太は…?」


私の質問に、桃威は首を振った。


「まだここから出てこない…」


「病院の先生から説明は?」


お母さんも聞く。


「いえ…まだです。もうすぐ話があるみた…」


「渡邊さんのご家族の方ですか?」


ナースステーションから看護婦さんが出てきた。


「あっ、はい!」


桃威が椅子から立ち上がる。


「先生からお話があります。こちらへ」


看護婦さんが桃威を手招きする。


「あの…おばさんも来て下さい」