「はい、今日の朝練終了!!」


部長の声が頭に響いた。


「あ〜…疲れた…」


サッカーボールを両手に持ちながら、沙紀が近寄って来た。


「ホントだね。朝からこれは辛い…」


練習自体は数分前に終わっているのに、まだ息が切れている。


「大丈夫?大変悪いんじゃ…」


沙紀が心配して顔を覗き込む。


「大丈夫だよぉ」


そう答えるのが精一杯だった。


目の前が真っ白になり、沙紀の声が遠くなっていく……