『繭・・・何買うの?』

「ん~こっち・・・かな?」

フィギュアを一生懸命選んでる繭。

最後の日、2人で秋葉原に来ていた。

なぜ?って繭が楽しそうだから、僕はそれ
を見てるのが好きなだけ。

3月に入って、
大分温かくなり春の匂いを
感じ始めた頃

太陽の光が心地よく、
キラキラっという
表現がぴったりな
気持ちのいい日だった。

繭の買い物が終わり、

『これからどうしようか?
映画でも見に行く?』
と言う僕に

「ん~ん。今見たいのないから」
と気のない返事をする繭。

『じゃぁ、ご飯食べに行こっか?』
と繭の顔を覗き込むと

「・・・稜の作ったやつが食べたい」

『・・・?夜は作るよっ』


どうしたのかな・・・?

デートしたくないの?

最後のデートなんだけど・・・

『繭?』

「・・・うちに帰りたい」

そう言って俯く繭に僕が何か言えるはずもな
く、結局そのまま帰ることになった。

『うん・・・いいよっ』

いい天気なんだけどなぁ。

繭・・・引きこもりだからなぁ~

しかたないかっ。


え?でも自分の用事だけ済ませてない?(笑)

いいよっ。

最後のわがままにつきあうから・・・