12月25日


この日,ガキの頃は起きるのが憂鬱だった


枕元にプレゼントなんて置いてあった記憶がなかったから


歳を重ねるにつれ,何とも思わなくなったんだけど



「送ろうか?」


靴を履いていると,着替えも化粧も済んでいる母さんが玄関を覗く


今日は午後から予定があるらしい母さんは外出には来られない


めちゃくちゃ悔しがってたな…



「じゃあ頼もうかな」


するとパァっと目を輝かせ,俺を押し退けて家を出て行く


親子揃って初音馬鹿だよなぁと何だか笑えてきた


予定では8時に病院に着くはずだったけど,母さんのおかげで7時半に着いた


そして母さんのおかげでまだ面会時間ではないけど中に入れた



「MerryX'mas!!」


「音緒ちゃん!?
 今日は早いね…??」


「今日は予定があるからな」


昨日のショップ袋たちをベッドの上に置く



「母さん置いて行くから10分で着替えろ」


後ろに隠れていた母さんが顔を出し,微笑んだ