200X年 10月


この日は雲ひとつない青空で


空を見上げて今日は星が綺麗に見えそうだと思った



「香川未緒ってどこにいますか?」


そんな日に俺がいるのは…病院


事の発端は数日前


長い間離れていた母親と数週間前に和解した俺は毎日母親の元に通っていた


大分打ち解け…いやかなり打ち解けた


そんな母親が頼み事をしてきた


それが…


『女の子と会ってほしい』


だった


母さんは看護士をしている


担当の患者である女の子に俺の事を昔から話していたらしく


時折会ってみたいと零すその女の子に会わせてやりたいと


あまりに必死に頼むもんだから頼みを引き受けた…というわけ



「未緒さんなら患者さんのところだと思います」


教えてくれた年配の看護士さんにペコッと頭を下げお礼を言い病棟の方に向かった


近付くにつれ,だんだん騒がしくなっていく


病院って静かな所じゃないのか…?