200X年 11月末


大分寒くなり,朝起きるのが辛くなってきた


…って毎朝辛いけど


静に起こされてるけど起きられないし


そんなわけで今まで学校もサボりがちだった



「音緒−
 最近珍しく学校来てんな」


そう言うのは悪友兼幼なじみの坂上縁(サカガミ ユカリ)

こいつの言う通り珍しくこの頃は毎日行ってる


原因は初音


病院暮らしの初音は学校なんて行ったことない


勉強だってしたことないんだ


だから行ける俺がサボっちゃいけないって思った


でも気付かせてくれたのは母さん



「次移動だってよ」


「わかった」


ったく寒いんだから廊下なんて歩かせんなっての


無言で移動するけど文句はたくさんある



「で,どういう心情の変化?」


「は?」


「何かあったんだろ?
 学校に来るようになったわけが」


…縁のそういうとこが怖い


勘がとてつもなく鋭いとこが