20XX年 3月


「音緒は大切な人だよ。
 いなくなったら絶対困るくらい。
 だから…出来ればこれからも仲間でいてほしい。」


俺ただ今ふられ中


大好きな女が留学する当日に告白して数時間後


見事にふられた


分かってたんだ


ふられることは


好きな奴いるのバレバレだし


ムカツクけど両想いだし?


入る隙間なんて少しもなかった


だからこそ気持ちの整理と思って伝えたんだ


でもさ


結構きてる


ぶっちゃけ泣きそう


だけどさ


何か違ったんだ



「しょうがねぇな。
 仲間でいるよ,静の大切な!」


いつまでも俯いてなんかいない


前を見て大好きな人にそう言った



「諦めるのに時間がかかるかもしんない。
 でも静が帰ってくる頃には仲間の俺でいるから。」


千香たちを呼んでくる


そういってその場を離れた俺だけど


逃げたんじゃない