「あたし、雷怖いの知ってますよね?」


そう。


あたしが同居をしょうがなく

本当にしょうがなく

了承したのは今一緒にいて欲しいからなのに


「お前が何が怖かろうが俺の知ったことではない」




一度こちらを振り向いた奴は


そう冷たい言葉を吐くと



真っ暗な大雨の中に入って行ってしまった。



こんな事なら同居承諾するんじゃなかったかも。


そんな事を思ったのと同時に



「アイツ、死ぬんじゃないの?」



真っ暗な玄関に

あたしの独り言がぽつりと響いた。