無色の日の残像

 月明かりが、若者の整った顔立ちと、特徴的な三白眼とを照らし出した。

 短い黒髪が、海風に揺れている。

「空気──?」

 無色は目の前に現れた懐かしい人物の名を、上擦った声で口にした。

「な──なんで・・・・・・?」

「久しぶり。二年ぶりだな、無色」

 銃口の先でそう言って、西側の軍服を着た蒼嶋空気は微笑んだ。