無色の日の残像

 そのまま砲撃を浴びせながら、輸送機の下へと機体を潜り込ませた。

 おそらく相手は、こちらが輸送機の下を通過して再び攻撃を加えてくるとでも考えているだろう。

 通常の戦闘機ならばこの場合、確かに相手と擦れ違わなければ次の攻撃には転じられない。

 当然だ。機体の真上に向かって攻撃できるわけがないのだから。

 通常なら。

 無色は輸送機の真下で機体をピタリと静止させ、空中で反転して主砲を輸送機の腹に向ける。

 ピッと、夜の闇をレーザー光が切り裂く。

 砲門から放たれた光は敵の装甲を焼き切り、輸送機はぐらりとその態勢を大きく傾けた。

 輸送機が真っ黒な海に着水する。

 輸送機を追って、無色は【カグヤ】を海上に降下させた。