無色の日の残像

 翌朝。
 とんでもない前日の疲れが出て、空気と羽海は部屋で眠りこけていた。

 ただ一人起きてきた無色が喫茶店に顔を出すと、マスターの雨鳥が開店の準備をしていた。

「おはよう、目覚めにコーヒーはどうかな軍人さん」
「いえ、ホットミルクで」

 朝っぱらからハイテンションの雨鳥に、無色が相変わらずのローテンションで答えた。

「コーヒーが自慢なのにィ~」と、笑いながら、注文通りにミルクを運んできた雨鳥を、無色は席に座ったまま無言で見上げた。

「どうした? 俺の顔に何かついてる?」

「成木雨鳥さん──」
「雨鳥でいいよ」
「・・・・・・雨鳥さん、どうして昨日僕が所属を名乗ったとき、すぐにSAMFという言葉が出てきたんですか?」

 無色は雨鳥の顔を真っ直ぐに見た。

「171特殊戦術分遣隊の別称は、一般には知らされていません」

 雨鳥は黙ったままニヤニヤしている。

「それに、僕はあなたの名前をどこかで聞いたことがある──雨鳥さん、あなたは・・・・・・」

「俺も聞きたいんだけど、無色くん」

 無色を遮って、マスターが口を開いた。