「･･････──ウミ、生きてるか？」
「うう──なんとかぁ──」

水面にぷかぷか浮かんだ飛行機の上で、二人は恐る恐る辺りを見回した。

「何だったんだ、今の攻撃──」

　クウが身を乗り出して、弾け飛んだプロペラに手を伸ばすと、海面が大きく波打った。

　波に押されて飛行機が揺れる。

　同時に、激しい風が吹きつけてきた。

「東の──新型かよ･･････」

　流線型の滑らかなフォルムに、四枚の細長い翼。

　水平を保ったまま、ゆっくりと垂直に降下してくる黒い機体を見上げて、クウは感動した。

「すげェ、こんな近くで見られるなんて」
「このバカ！　呑気なこと言ってる場合か！」

　ウミが立ち上がって、後ろからポカリとクウの頭を殴った。

　黒い戦闘機は、クウたちと目と鼻の距離へと降りてきた。

　よく見ると着水はしていなくて、水面との間に僅かな隙間を作り、ホバリング状態になっている。