「ちょ・・・・・・ウソ、撃墜って──」
 ウミが泣きそうな声を出した。

 クウも戦慄する。

 そして後ろの機体は黙り込んだ。

 あれ程喧しく繰り返していたのが嘘のように、ぴたりと外部拡声装置の警告が止んだ。

 一秒、二秒・・・・・・。

 晴天の下で不気味な沈黙が流れる。

 やがて。

 ピッと、クウの視界の隅を閃光が掠めた。

 がくんと機体に衝撃がくる。

「な──うわ!? ぷ・・・・・・プロペラをやられた!」

 薄い金属の板が、クウの目の前で粉々に弾け飛ぶ。

 陽射しを跳ね返す海面が、一気に迫ってきた。

「お──墜ちるっ!」
「いや──っ」

 二人の絶叫を乗せて、小さな飛行機は海の上に盛大な飛沫を作った。