無色の日の残像

 透明は空気のことが好きだった。
 空気は、無色に好きだと言ってくれた。

 無色は。

「わたしは──」

 苦しみを背負った青年の目を、無色は見上げた。

「雨鳥さんのことが好きです──とても──三年前からずっと──あなたに銃を向けたあの夜からずっと──」

 ちょっとだけ目を大きくしている雨鳥に、無色は一生懸命言って、最後につけ加えた。

「コーヒーみたいな・・・・・・ものです」

 いつの間にか雷鳴は止んで、窓に当たる雨は小降りになっていた。

 雨鳥は無色の告白を黙って聞いていた。

 それから初めて、無色に優しい視線を向けて微笑んで、そっとその唇にキスをしてくれた。