無色の日の残像

 無色は思い出した。

 一年前、爆発でボロボロになって、運び込まれた軍の病院で、透明の死を知らされたときのこと。

 敵機を撃墜したとき、味方戦闘機の、逸れた攻撃が病院を直撃して──透明が死んでしまった、そう聞かされたとき。

「雨鳥さん──雨鳥さん──透明が、死にました。空気も、羽海も、死にました」

 病院からこの店に電話して、泣くことも出来ずにただただそう告げた無色に、電話口から雨鳥が返してきた言葉。

「そうか──すまない」

 あの謝罪は・・・・・・。

「あなたは、そうすべきだと思ったことをしたんですね」

「そうだ」

 無色は雨鳥に電話した時、たぶん自分には他に吐露できる相手がいなかったから、そうしたのだと思った。

 でも今は、どうしてこの人に電話をかけてしまったのか、よくわかる。

「わたしは──あなたがどこか自分と似ているような気がしてたのかもしれないです」

「そうだね、三年前に会った時から、俺はそう思ってきたよ」