「俺はね、もともと西の人間なんだ」
「え──」
唐突に雨鳥が口にした言葉に、無色はびっくりした。
「俺は西側の大学で、研究をしてた」
雨鳥は無色を抱いたままそう言った。
「大学院生の時、東側の人間が俺に接触してきたんだ。もっと良い設備で研究させてやる、研究費も出してやるって」
窓を叩く雨の音が激しく聞こえた。
「それで俺は東に渡った。自分の研究が何に使われようとしているのかも考えず、軍の施設で研究に没頭してた」
そしてある時、彼は知ったのだ。
自分が行っている研究が、西の人間を殺すための生物兵器開発の一端を担っていることを。
「俺は愕然とした。ただ夢を追っているだけの自分が、実は殺人ウイルスの開発をしてたんだとわかってね。それで──」
雨鳥は逃げた。
これ以上開発が進まないよう、研究に行き詰まったと嘘を言って軍を去って、そしてこの島でひっそりと生きてきた。
「え──」
唐突に雨鳥が口にした言葉に、無色はびっくりした。
「俺は西側の大学で、研究をしてた」
雨鳥は無色を抱いたままそう言った。
「大学院生の時、東側の人間が俺に接触してきたんだ。もっと良い設備で研究させてやる、研究費も出してやるって」
窓を叩く雨の音が激しく聞こえた。
「それで俺は東に渡った。自分の研究が何に使われようとしているのかも考えず、軍の施設で研究に没頭してた」
そしてある時、彼は知ったのだ。
自分が行っている研究が、西の人間を殺すための生物兵器開発の一端を担っていることを。
「俺は愕然とした。ただ夢を追っているだけの自分が、実は殺人ウイルスの開発をしてたんだとわかってね。それで──」
雨鳥は逃げた。
これ以上開発が進まないよう、研究に行き詰まったと嘘を言って軍を去って、そしてこの島でひっそりと生きてきた。


