無色の日の残像

「雨鳥さん──雨鳥さん、わたし、わたしはやっとわかりました」

 自分が何をしているのか。

「自分が戦場で何をしてきたのか、わたしは──っ」

 気がつくと、雨鳥に抱き締められていた。

 轟音が頭上で響くたびに震える無色の肩を、雨鳥は黙って抱いてくれていた。

「わたしは、透明を殺してきたんです!」

 雨鳥の胸に顔を埋めて、無色は叫んだ。

「わたしは、空気を殺してきたんです!」

「わたしは、羽海を殺してきたんです!」

「わたしは自分の大切な人たちを、輝神に乗ってずっと殺し続けてきた!」

 僕は人を殺しています。

 あの言葉は、何もわかっていない言葉だった。

 人を殺しています。
 その、「人」が何なのか。
 誰のことなのか。

 それがわかって──そして無色は戦闘機に乗れなくなった。

 何も知らず、何も見えていなかったかつての日々のように、戦姫であり続けることはもう、できなくなった。