無色の日の残像

「──透明はっ」
 無色は唇を噛んだ。

「透明はね、空気、あれから毎日、きみのことをとても楽しそうに話すんだよ。羽海や空気とまた会いたい、早く平和になればいいのにって。今度は自分の足で歩くんだって、無理して練習してる。空気──透明は、きみのことが好きなんだよ!」

 空気は微笑んだ。

「そうか」

「僕はね、僕は・・・・・・きみと透明が夫婦になれたらいいなって、そう思ってた。きみはそれなのに透明を殺すの? 透明は──透明は──あの日からずっと、きみのことが好きなのに──」

「俺は無色が好きだ」

「えっ・・・・・・」
 無色は驚いて目を見開いた。