学校に行くので玄関を
出ると吉沢君が待っていた。

「どうしたの?」と
私はそっけなく言った。

すると吉沢君が何も言わずに
私の手を持って歩き出して
近くの公園に行った。

「聞いた。島田のオヤジが
お前の親父に圧力を掛けた。

それをお前も知って
俺から離れたんだろう。」と
言ってきた。

何も答えれない私。

「何故言わなかった?
俺はどんな思いで・・。」

「じゃあ聞くけど。

私のお父さんがリストラ
されたらどう思う?

私には妹や弟もいるんだよ。

吉沢君の家は確かに
吉沢グループの跡取りだよ。

こんな不景気でもびくとも
しない会社なんだもん。

けど従業員の人たちの身に
なってごらんよ。」と
私は本音を言った。