「いってきます」 1階から聞こえてくるれいちゃんの声。 三階からわざわざ、いってらっしゃい。なんて言ってあげるほど、私は優しくなんてない。 「あっ、私も時間っ」 そう、時計を見るともう8時半を回っている。 ゆっくりと準備をしている時間など、私にはなかった。 最後に全身を鏡でチェックして、 「いってきます。」 家を出るのが最後で、誰も居ないのにかかわらずそう言って家を飛び出す私。