マナカが食べ始めてすぐ、向いの席が二つあいた。
と、同時に誰かが席をとる。
「よかったー!!丁度席があいてっ。ね?れいくん」
また…
れいちゃんと新城さんのツーショットが私の目に飛びこむ。
マナカが私に耳打ちをする。
「れいくんじゃん!」
「うん…。」
「子供じみた喧嘩なんかで気まづくなってないでさ?普通に話しかけたらいいのに」
それが出来たら苦労もしないよ…
家でも、顔もろくに合わせてくれようとしないのに。
返事をしない私を横目に、マナカは弁当をもくもくと食べ進める。
「ねぇ」
・・・
「…なぁ」
その呼びかけが、私に向けられてるなんてこと、知らないからさ。
マナカとしゃべり続けていた。
「おい、姉貴」
その言葉に、よおやく私に向けられていた言葉と気づいたと同時に、その呼び名にひどく驚く私がいた。
だって、「姉貴」と呼ぶ人は一人しかいない。


![_残酷すぎるキミ_[短編]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.786/img/book/genre1.png)