トントン
「入るよ」
うっすらと、言われた言葉に耳を傾ける。
まだ目は閉じたままで、
「姉貴。」
私のベットがギシッと音を立て、れいちゃんがベットに腰をかける。
私はその声に、ようやく目を開ける。
私はどうやら、眠っていたみたいだ。
「…新城さんは?」
私はれいちゃんに背中を向けたまま、そう聞く。
「帰ってもらったよ。」
ひとつ、れいちゃんはため息をつき
「だって姉貴、突然いなくなっちゃうから」
返事をしない私をおかしく思ったのか、れいちゃんは話を続ける。
「電話ぐらい、出てよ。心配するじゃん」


![_残酷すぎるキミ_[短編]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.776/img/book/genre1.png)