れいちゃんは、そのままリビングに向かっていく。
私はあわてて、「れいちゃん、友達リビングにいるから」と、言った。
「はいはい」
れいちゃんはそう言うと、リビングに入っていってしまった。
私が恐る恐るリビングに入ると、
新城さんは、れいちゃんに向かって自己紹介をしている最中だった。
「私、新城 緑っていいます!!!ミウちゃんとは同じクラスで、仲良くさせてもらってます!!!」
ミウちゃんって…いつもはそんな呼び方、しないくせに…
それにくわえ、嘘まで平気ではいちゃったりなんかして。
新城さんの腹黒さに、嫌気がさす。
れいちゃんは、
「そんなにかしこまらなくても、俺のが後輩だしね?緑先輩」
なんて言って、笑顔を新城さんにふりまいている。
…れいちゃん、なんかいつもと違うんですけど…。
私はそう思いながら、二人の話している姿から目をそらした。
「じゃー…、れいくんって、呼んでもいいかな?」
甘い声でれいちゃんに聞く新城さん。


![_残酷すぎるキミ_[短編]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.786/img/book/genre1.png)