ガチャガチャ
「あっ、帰ってきたみたい!」
私より先に気づいたのは新城さんだった。
「きゃー、やばいやばい!!!どうしよー」
なんて言っている間に私は玄関に行くと、
「おかえり、れいちゃん。この後、どこにもいかないよね?」
「姉貴、昨日自分が言ったこと、忘れてんの?」
「へ?」
「寄り道禁止、って。だから俺まっすぐ帰ってきたんだけど?」
「あっ、そうだったね」
やっぱり、嬉しくなるものなんだ。
れいちゃんが私の約束をちゃんと覚えてくれていたのかと思うと。
私はゆるみそうになりかけた表情を、固め直し、れいちゃんに言う。
「今日ね、私の友達…来てるんだけど」
「ふーん」
れいちゃんからは、どうでもいい。とでも言いたげな返事が返ってくる。


![_残酷すぎるキミ_[短編]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.781/img/book/genre1.png)