_愛の形_




ガチャガチャ



「あっ、帰ってきたみたい!」




私より先に気づいたのは新城さんだった。




「きゃー、やばいやばい!!!どうしよー」




なんて言っている間に私は玄関に行くと、




「おかえり、れいちゃん。この後、どこにもいかないよね?」




「姉貴、昨日自分が言ったこと、忘れてんの?」




「へ?」



「寄り道禁止、って。だから俺まっすぐ帰ってきたんだけど?」





「あっ、そうだったね」




やっぱり、嬉しくなるものなんだ。




れいちゃんが私の約束をちゃんと覚えてくれていたのかと思うと。





私はゆるみそうになりかけた表情を、固め直し、れいちゃんに言う。




「今日ね、私の友達…来てるんだけど」




「ふーん」




れいちゃんからは、どうでもいい。とでも言いたげな返事が返ってくる。