「おじゃましまーす!!!」
初めから、私の苦手な黄色い声を出し、新城さんはずかずかと私の家へ入っていく。
「私の部屋、その階段をあがってすぐの所だから」
そう言って、私は新城さんを自分の部屋へと連れて行こうとする。
だけど、
「えっ?私、リビングでいたいな!!!」
そう言って、新城さんは、「リビング、こっち?」
なんて言いながら、勝手にリビングに入っていってしまった。
なんて自由奔放な人なのだろうと、そう思い、呆れて溜息すら出なかった。
だけど私がリビングに入ってみると、立ち尽くしたまま、ぼーっとしていた。
「私、お茶いれるから、適当に座ってくれてていいよ」
私はそう言って、冷蔵庫を開け、お茶に手を伸ばす。
居間の方からは、
「今井 玲君、まだ帰ってないんだ?」
と、そわそわしながら聞いてくる新城さん。


![_残酷すぎるキミ_[短編]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.781/img/book/genre1.png)